中国大陸。それは5000年もの長き歴史を誇り、豊かな国土と5億もの人口を擁する大地だ。

 その豊かさ故に、中国大陸は列強による植民地争奪戦での格好の獲物となり、その国土を分割された。

 しかし中華を自負する人間達がその屈辱に耐えられるわけがなく、彼らは様々な方法を用いて国土の

奪還と偉大なる中華の復活を目論んだ。

 軍事力、技術力で圧倒的に劣る彼らは、あらゆる謀略をもって敵を分断し、仲違いさせ、争わせた。

 そして彼らの謀略は1942年をもって最高潮を迎える。そう、彼らの大地にとって最も脅威となる2つの

勢力を争わせることに成功したからだ。

 一つはフロンティアスピリッツに基づいて西進を続け、アジアに進出を果たしたアメリカ合衆国。

 一つは海洋国家として太平洋での生存圏の確立を図る大日本帝国。

 共に古株の欧州列強からすれば新興国と言えるこの二大国家であったが、その軍事力には定評があった。

 前者は世界最高の生産力と世界でも指折りの豊かな国内資源を持ち、さらに世界第二位の海軍力を持つ超大国。

 後者は小さな島国ながらも、近代化して僅か70年で清、ロシア帝国、ドイツ帝国と戦って勝ちを収め、世界有数の

大国の地位に上り詰めたアジアの雄。

 中華の住人は、国際舞台において急速に台頭し始めた太平洋における二大勢力を潰し合わせ、漁夫の利を狙った。

 彼らからすればアメリカを煽るのは比較的簡単だった。アメリカはその巨大な供給能力ゆえに相応の需要がある市場の

獲得を狙っていたからだ。世界恐慌で大きな痛手を受けていたことも大きかった。

 加えてアメリカ国内では、日本を脅威と見做す機運もあった。何しろ日本の成長は早すぎた。開国して近代化してから

僅か70年で世界有数の軍事大国、経済大国に上り詰め、その勢いは衰えることを知らない。もしも彼らが大陸を支配下

におけば、今度は自分達も危ないのではないか……かつてドイツ第二帝国皇帝ヴィルヘルム二世が唱えた黄禍論が俄かに

現実味を帯びてきていた。

 それを敏感に察知した者達は米国に移民した同胞を使って、さらにそれを煽り立てた。日本の宣伝工作によって効果が

現れるには想定していたよりも時間が掛かったが、彼らの目的は1942年8月16日をもって達せられた。


「これで忌々しい日本を潰し、アジアの盟主が何者であるかを世界に知らしめることが出来る」


 張学良は日本がアメリカに宣戦を布告したと聞いた瞬間、そう嘯いた。

 彼はアメリカが日本に負けるはずが無いと思っていた。実際、データを見れば日本の敗北は必至だった。そして日本を

降伏に追いやれば、多大な取り分を手に入れることも不可能ではない。実際に史実では敗戦後の日本を連合国で分割して

統治する案さえあったのだ。彼の考えは決して非現実的なものではなかった。

 中華民国はアメリカと共に日本を挟み撃ちにするべく手薬煉を引いて待ち構えていた。

 この中華の動きに大韓帝国に存在する反日派が同調した。特に日本の口出しによって行われた改革によって既得権益を

失った人間は排日運動を積極的に支援した。


「小生意気な日本人を叩きだせ!!」


 日本に対して恨み骨頂の彼らは、満州から少なからざる量の軍需物資を朝鮮半島に持ち込んだ。その動きを韓国政府は

半ば放置した。彼らは表向きこそ日本につき従ってはいたが、内心では自国のことに口を出す日本を疎んでいたのだ。

また自分達より格下と思っていた倭国が、自分達より遥かに格上の存在になっていたことに対する怒りも日本への反感を

煽っていた。

 ただし彼らは悪戯に日本に喧嘩を売っても勝てないと思っていたので、日本から得られるものは得て、日本が劣勢になった

時に裏切ろうと考えていた。


「今に見ていろ……」


 彼らは表向き笑みを浮かべ愛想を振りまきながら、近く訪れるであろう反逆の時を伺っていた。

 しかし現実は彼の想像を遥かに超えるものだった。いやむしろ想像できるほうがおかしいと言えた。

 何せ日本を動かしてきた政治勢力が未来を知る存在であり、そして彼らが自身の目的のためなら容赦なく数百万の命を

一瞬で奪い去り、彼らが頼りにしていたアメリカを一撃で壊滅させうる力を持っていた、など想像できるはずがなかった。

 後に太平洋戦争と呼ばれるこの戦いで、彼らは自分達が長年自身より格下と思い込んでいた島国が、自分達とは一線を画す

異質な存在であることを嫌というほど思い知ることになる。









          提督たちの憂鬱  第25話





 遼陽。それは満州における交通の要衝であり、日露戦争でも日露両国が壮絶な戦いを繰り広げた大地だ。

 それ故に多くの死者が眠る大地であったが、人は自身の過去の愚行を省みることなく、死者の眠りを妨げようと

するかのように、再びこの地で大戦を繰り広げようとしていた。

 奉天から南下してきた米国・中華民国連合軍はこの遼陽で北上してきた日本陸軍と対峙していた。

 米中連合軍13個師団に対して、日本軍は3個軍(5個歩兵師団、1個戦車師団)に加えて、関東軍から増援と

して駆けつけた1個歩兵師団、1個戦車師団、1個混成旅団の合計6個歩兵師団、2個戦車師団、1個混成旅団。

 日本軍は西から第6軍及び関東軍からの増援部隊、第5軍、第4軍を配置して、遼陽を三方向から攻め込む

ように陣を引いていた。しかし総兵力では米中連合軍が勝っており、うまくすれば日本軍を包囲することも不可能

ではないと思われた。

 遼陽に置かれた米中連合軍司令部では、パットンが短期決戦を掲げて、大攻勢にでるように主張した。


「長期戦となれば我が軍は著しく不利になる! 全面攻勢に出て、一気に決着をつけるべきだ!」


 制空権がいつまで維持できるか判らない米軍としては、味方の戦闘機が時間を稼いでいるうちに、一気に決着を

つけるしかないと考えていた。

 P−38、P−40など米陸軍主力戦闘機が赤子の手を捻るかのように簡単に駆逐されていく様は、米軍関係者に

とってある意味でトラウマとなっていた。戦闘機パイロット達は日本軍の隼や飛燕と戦うとなれば、最低でも3対1で

挑むしかなく、もしも1対1となったら機体を捨てて脱出するしかないと冗談半分(半分は本気)で言う始末だった。


「連中の戦闘機は速度も、旋回性能も、武装もこちらより優れている。真正面から戦えば勝ち目は無い」

「急降下してもあっさり追いつかれる。逃げようが無い」

「情報部は何をしていたんだ。あんな高性能な戦闘機をジャップが持っていたなんて聞いてないぞ!」


 正面から戦えば、間違いなく負ける。彼らはそう思っていた。しかしかといって彼らは逃げるような真似はしない。

 彼らは自分が誇り高き合衆国軍軍人であり、自身の双肩には味方と、在中米国人の安全が掛かっていたことを自覚し

ていた。故に彼らはたとえ負けると判っていても、戦場に踏みとどまったのだ。

 張景恵大将は米陸軍航空隊では制空権が長時間維持できないということを伝えられていたので、パットンの進言を

あっさり受容れて全面攻勢に出ることを決定した。そして言いだしっぺのパットンは司令部を前線に近い位置に置き

陣頭指揮を取ることになった。


「先鋒は米軍の第1騎兵師団、そして我が軍の第4、第7師団を当てる。この第一波で敵の前線に穴を開けておき、

 続けて第二波、第三波を立て続けにぶつけて一気に日本軍を突破する」

「しかしあまり正面に戦力をつぎ込むと側面が不安になります。かの日露戦争でロシア軍は太子河を渡河した日本軍に

 側面を突かれています」

「判っている。遼陽東部に日本軍の渡河に備えて防御陣地を築いておく」


 一方、日本軍は米軍が攻撃にでようとしていることを斥候部隊と遼陽に潜伏中の諜報員からの報告で素早く察知した。

 北支那方面軍司令官に任じられた岡村寧次大将は作戦図を見ながら、米軍の意図を読んだ。


「奴らは我々を突破するつもりのようだな……狙いは旅順か、盤錦か。どちらにせよ、これは好機だ」


 米中連合の野戦軍を遼陽で殲滅することが出来れば、満州の制圧は容易になる。岡村は何とかこの場で米中連合軍を殲滅し

一気に南満州全域を制圧するつもりであった。

 彼は史実では反共将軍と呼ばれるほど、共産主義を嫌っていた。故に彼は米中連合軍を撃滅しても共産軍が満州に台頭

するのを警戒していたのだ。彼は満州に一時的に軍政を敷き、情勢を安定させつつ共産軍の浸透を防ぐつもりだった。


「閣下、ここは一気に攻勢に出るべきです。幸い、米陸軍航空隊が補充を受けた形跡はありません。

 これに対して第7飛行集団と第9飛行集団は補給を完了しており、いつでも米中連合軍への攻撃は可能です」

「砲弾の補充も完了しています。火力支援は問題ありません」

「これまでの調査の結果、米軍の主力戦車M2は脅威にならないことが判っています。一気に押し潰せます」


 これまで完勝続きだったためか、幕僚達は強気な発言で正面決戦を主張した。


「しかし正面決戦を仕掛けても相手が最終的に逃げては意味が無い」

「だとすれば、攻勢にでる際に、第4軍を渡河させ、遼陽の側面に進出させるのはどうでしょう?

 幸い、航空優勢は確保されています。設営部隊もいますし、航空隊、及び重砲の支援を行えば速やかに渡河は容易です」

「しかし相手もそれは警戒しているのではないか?」

「航空支援については管制機構の充実で飛躍的に向上しています。多少の妨害ならすぐに排除できるでしょう」


 東条は航空機による地上部隊支援を重視していた。彼は杉山と共に航空戦力の充実を図ると同時に、支援が円滑に進む

ようにシステムの充実を進めていたのだ。


「……良いだろう。それでいこう」


 日本陸軍が来るべき、対ドイツ、対ソ連戦に向けて築き上げてきた戦術が、兵器が、本来なら同じ反共勢力として

手が組める存在であった米中軍に牙を剥いた。






 遼陽会戦と呼ばれる戦いの第一幕は、日米両軍による制空権争奪戦から始まった。

 尤もレシプロ戦闘機でも最高峰の出来である隼や飛燕に、P−38やP−40で歯が立つわけがなく米軍戦闘機は

一方的に駆逐されていった。墜落していくのはほぼ全て星のマークをつけた戦闘機。地上でこれを見ていた日本軍は

喝采を挙げ、米中連合軍はあまりに絶望的な光景に絶句した。

 尤も当事者の人間たちは複雑な心境であった。


「まるで弱い者いじめだな……」


 隼の20mm機関銃の銃撃を浴びて左翼が千切れて落ちていくP−40を見て、加藤建夫は思わずそう呟いた。

 冬戦争で圧倒的な物量で押し寄せるソ連空軍と激しい戦いを繰り広げた彼としては、今の消耗した米軍航空隊は

あまりに不甲斐無い敵であった。何しろ質では日本軍が圧倒。数でも相手の3倍近い数を集中運用してぶつけている。

これに電子戦機が後方から支援を行っている。このため米軍の無線機は使い物にならず連携も取れない始末だ。

これで米軍が勝てるほうがおかしいだろうという状況だ。


『隊長、この空域の米軍機は排除しました。それにしても呆気ないですね。連中、せいぜい露助と同じ程度ですよ』


 無線で加藤に報告したのは加藤と同じ部隊に配属された樫出勇だ。その声は戦場にも関わらず些か気が抜けていた。


「楽に勝てるなら、それに越したことは無い。だが樫出、米軍にはまだ予備兵力がある。気を抜くな」

『まぁそうですが……』

「気持ちは判る。だが米国の生産力は世界の生産力の半分を占め、本国の兵士も質が高いと聞く。気は抜けんぞ」

『判りました』


 夢幻会は史実での精神主義による弊害を熟知していたので、士官クラスの人間には徹底的な教育を行っていた。

 米軍が数だけの存在ではないことを教えるために、第一次世界大戦での米軍兵士の敢闘振りや、米軍の戦訓研究の

徹底振りなども教え込み、米軍がいかに粘り強く侮りがたい存在であるかを教え込んだ。

 この結果、米軍侮りがたしとの印象が全軍に根付いていた。しかし蓋を開けてみれば日本軍の連戦連勝。拍子抜け

するのは当然の流れだった。そんな中、新たな獲物が戦場に舞込んだ。


「固定脚の戦闘機?! P−26までお出ましか」


 加藤たちの前に現れたのはアメリカ陸軍初の全金属製戦闘機P−26だ。しかし国籍マークは中華民国のものだった。

さらに周りを見れば多数の複葉機も飛んでいる。


「連中、倉庫に眠っていた機体も根こそぎ持ち出したってことか」


 P−26、さらに複葉機のP−16。共に旧式機であり、それらで日本陸軍航空隊に挑むのは狂気の沙汰と言えるのだが

もはや米中連合軍に取るべき方法は無かった。


「これでは一時的に制空権を維持することも出来んぞ……」


 パットンとしては混戦に持ち込めば、航空支援が無くてもある程度は戦えると思っていた。しかしその大前提が崩壊しよう

としていた。

 パットンはあまりに一方的に味方の戦闘機が駆逐されていく様を見て、早まったかも知れないと思ったほどだ。

尤もそれはあながち間違ってはいなかったが……。


「だがもう後戻りは出来ん」


 気分を切り換えてたパットンは幕僚達に向けて言い放つ。


「命令はただ一言、『スプラッシュ・ザ・ジャップ(日本人を潰せ)!』だ」


 この命令電が打電されるや否や、米中連合軍は動き出す。

 しかし米中軍の戦闘機が日本軍機に圧倒されている隙を突くかのように、爆撃機や襲撃機が米中軍に襲い掛かった。


「ひゃっはー、こりゃあいい。入れ食いだ!!」


 第7飛行集団第3飛行戦隊第2中隊、通称『痛い子中隊』所属の須川耕太中尉は自機の九七式双戦の操縦席で喝采を

挙げた。


「はっはっは、いよいよ俺達の時代だぜ! 頭の固い連中に、俺達の実力を見せてやるぞ!!」

『『『了解!!』』』


 この痛い子中隊は、そのほぼ全員が逆行者、しかも重度のオタで構成されているというとんでもない部隊だ。

そして彼らは実にオタらしく、自分達の機体にノーズアートとして『アイ○ス』のキャラの絵を描いており、中隊の全機が

痛機となっている。常識人の嶋田からみれば眩暈を催すような部隊だ。しかしながら……腕はピカイチであった。

 彼らは装備している40mm機関砲で目下の米軍の戦車やトラックを次々に攻撃していく。戦車は次々に装甲を撃ち抜かれ

爆発、炎上し、トラックに乗っていた兵士達は40mm機関砲の直撃で瞬く間にミンチとなっていく。


「東洋のルーデルの称号は俺が貰うぜ!!」


 九七式双戦が猛威を振るう傍らで、百式爆撃機〈飛龍〉(海軍名:零式艦上攻撃機〈流星〉)が爆弾を、対地ロケットを

米中連合軍に叩きつける。直撃を受けた重砲は木っ端微塵となり、至近弾を浴びた重砲は横転して装填手を下敷きにする。

運悪く直撃を受けた兵士は痕跡も残さず消滅し、弾薬箱は誘爆を起こして巨大な火柱をあげる。

 あまりの猛攻に米中連合軍は大混乱に陥った。そしてその隙を見逃すほど日本は甘くなかった。

 爆撃機や襲撃機によって米中軍の砲列が蹂躙されるや否や、日本軍の砲列が轟――とばかりに咆哮した。

 米軍のM1加農砲・ロングトムに対抗するために開発された九七式15cm加農砲が次々に砲弾を撃ち出していく。

発射から数十秒後、米中連合軍部隊のど真ん中に無数の閃光がひらめき、赤黒い爆煙が湧き上がる。


「弾切れは心配するな。撃ちまくれ!!」


 第5軍司令部では第5軍参謀長の久野村桃代少将がそういって前線部隊を叱咤激励した。

 史実ではインパール作戦でその無能振りと堕落振りを見せつけ、日本陸軍の汚点とも言える男であったが、この世界では

夢幻会の再教育によって徹底的な矯正が行われた。この矯正によって久野村は兵站構築の第一人者となっていた。

 彼はロジスティックの効率化を図るために、オペレーション・リサーチなど数学的な方法を積極的に取り込み、各補給線

ごとの運搬能力を最適化した運用計画や需要予測を立案する手法を確立したのだ。

 ちなみにこれらの手法の構築のために、軍でも最高機密であったトランジスタ・コンピュータの使用許可を彼は勝ち取った。

 陸軍が補給を気にせずに戦えるのも彼のおかげとも言える。本来なら陸軍省に必要な人材だが、本人の強い希望で前線で

指揮をとることになった。


「百聞は一見にしかず。戦争は帝都の会議室ではなく、戦場で行われているのだ!!」


 彼はそう言って、問題が起きていないかを現場に出て確認していたのだ。

 史実では彼のことを酷評していた佐藤幸徳も、久野村を大いに評価し、「久野村の能力は1個軍に勝るものなり」とまで

褒めたたえた。海軍の井上成美中将も、久野村の能力を評価し、彼の作り上げた手法を海軍に取り込むほどだ。

 参謀長が大声を張り上げる傍らで、第5軍司令官飯村穣中将は、作戦図を見て戦況を分析していた。


(米軍の戦車師団を撃破すれば、敵はその支柱を失う。第4軍、第6軍と共に進撃すれば敵を一気に突き崩すことは可能。

 ふむ、次の段階で第4軍が遼陽東部に進出できれば、一気に包囲殲滅も可能だ。

 ただ参謀本部は敵将が戦車に精通した猛将だと言っていたな……注意するべきだろう)


 彼の手元には2個師団しかない。数の面では圧倒的に劣っていると言える。だが装備や備蓄物資の量、航空支援の有無と

第4軍、第6軍との連携を考慮すれば勝算はあると読んだ。


「各師団、前進せよ」


 第5軍に続けて第6軍も進撃を開始し、日本軍の大規模な攻勢が幕を開けた。

 日本軍が進撃を開始、この情報は即座に米軍司令部に齎された。


「日本軍が?! で、戦況は?」

「我が軍のM2では日本軍のタイプ97には全く歯が立ちません!! さらに敵は優秀な対戦車兵器を持っているようで

 我が軍の戦車はあちこちで敵の歩兵部隊に撃破されています!!」

「そんなにか?! M2中戦車には75mm砲が搭載されているはずだぞ!?」


 パットンは驚いた。M2中戦車は満州に拠点を設けた米陸軍が開発した戦車であり、それなりに強力な戦車だ。

 史実と違い、主砲として75mm榴弾砲M1A1を搭載しており、歩兵直協という戦術を実行するには十分な戦車だ。

しかし日本軍の九七式中戦車、そして九七式中戦車改を相手にするにはあまりに非力すぎたのだ。

 M2の75mm砲は九七式中戦車の75mmの前面装甲、九七式中戦車改の95mmの前面装甲のいずれも撃ち抜く

ことはできず、日本側の65口径76.2mm砲はM2の28.5mmの前面装甲を呆気なく撃ち抜いた。


「こちらの砲撃は、タイプ97の装甲によって弾かれています。最低でもM3のように対戦車砲がないと……」

「くっ……だが接近戦で、敵の側面を突けば活路はあるはずだ。我々はまだ諦めるわけにはいかんのだ。

 予備兵力も根こそぎ投入しろ。それと中国軍の連中に第二波の投入を急ぐように伝えろ。このままでは

 第一波が溶けてなくなるぞ!!」


 しかしながらM2の最高速度は40キロ、これに対して九七式中戦車は49キロ、九七式中戦車改は48キロ。

さらに機動力でも日本側が有利だった。おまけに最高速度58キロ、40口径75mm九〇式野砲を主砲に持つ

一式軽戦車まで日本軍にある。簡単に九七式の側面に取り付けるはずが無かった。


「中隊長、こんな話、聞いてないですよ! 何で黄色い猿があんな強力な戦車を持ってるんです?!」

「知るか、馬鹿野郎!! 日本の戦車には違いないんだ!! 回りこめ、側面を突けば何とかなるかもしれん!!」


 何とか九七式中戦車の側面に回りこもうとするM2戦車中隊だったが、その彼らの側面を突くように一式軽戦車が

現れた。一式軽戦車の主砲も、M2と同様に対戦車砲ではなかったが、それでもM2の装甲を食い破るだけの威力は

あった。さらに遥か後方からは九七式自走砲が140mm砲を容赦なく撃ち込んで来る。M2戦車中隊は容赦なく飛来

する砲弾によって次々に撃破されていった。

 前線部隊を支援しようとしても、米軍の重砲群は航空攻撃で大半が破壊され、残された砲も日本軍の重砲によって

木っ端微塵に粉砕されていく。さらに日本軍の猛砲撃でいくつかの部隊は戦う前から壊滅的打撃を受けていた。

日本軍の砲兵陣地からは途切れることなく砲弾が撃ち出されており、それは火山が噴火したかのような光景だった。

 勿論、これだけ弾を撃てばそれだけ必要となるコストは莫大なものであり、辻たち大蔵省関係者は開戦前に算出された

必要経費を見て頭痛と眩暈を催したほどだ。だからと言って辻は予算をケチることなく調達した。何しろ、予算をケチって

戦闘が長引けば本末転倒だからだ。日本軍の優勢はある意味で久野村と辻の2人によって支えられていたと言える。

 十分すぎる後方支援に支えられて日本軍は進撃を続けた。日本軍は戦車部隊に続けて歩兵を投入した。

辛うじて生き残った米兵たちは一矢報いるべく攻撃したが、その次の瞬間には倍返しとばかりに撃ち返された。


「ブローニングの馬鹿野郎め!! 連中が日本に技術を売るからこの始末だ!!」


 日本軍の機関銃の弾が頭上を掠めていくのを見ながら、ある米兵は自国の会社を呪った。

 尤もここで呪ったからと言って事態が好転するはずがなかった。彼はガーラントを構えて何とか日本軍の歩兵を一人でも

打ち倒そうとするが、現実はさらに非情だった。日本兵はガーラントよりも優秀な二式突撃銃を構えて、互いに連携しつつ

前進してきた。彼は一矢報いることもできず銃口初速770m/sの6.5mm銃弾によって蜂の巣にされた。


『こちら……連隊、戦線を維持できない!! 後退の許可を!!』

『こ……B中隊壊滅! ジャップの戦車は化物だ!!………大砲が全く通用しない、おお神よ!!』

『畜生、重砲の弾薬が誘爆している!! 誰か手を貸してくれ!!』


 戦線のあちこちから悲鳴交じりの報告が司令部に齎される。それは米軍が全戦線で敗退しつつあることを意味していた。

パットンは考えられる限りの方策をもって日本軍に対抗しようとしたが、そのどれもが意味を成さなかった。


「閣下……後退許可を!! もはや第1騎兵師団は壊滅寸前です。これ以上戦えば兵は無駄死にです!!」

「判った。後退を許可する。ただし、殿軍として我々は残る」


 パットンはそう言って司令部の後退を許可しなかった。

 進撃に際しては陣頭指揮、撤退に際しては殿。この「野戦部隊指揮官として、あらねばならない姿」を彼は実践したのだ。

 尤も本人としては忸怩たる思いであった。


(それにしても、これが日本軍の実力か……くそ、何が植民地兵より手強い程度だ。俺達よりも遥かに強い敵じゃないか。

 満州で共産軍や国民党軍の残党を圧倒して有頂天になっていた俺らは、奴らからみればピエロにしか見えなかっただろうな)


 彼はこの戦いが自身の完敗であることを認めた。彼は敵軍が自分達よりあらゆる分野で優れていると認めざるを得なかった。

 しかしかと言って全てを諦めるつもりもなかった。彼は何としても生きて帰り、合衆国陸軍を強化するつもりだった。

 米軍が退却を開始するのを見るや否や、日本軍は直ちに追撃を開始する。参謀本部からパットンが優秀で敢闘精神豊富な

将軍であることを予め知らされていた飯村中将は、ここでパットンを逃すつもりはなかったのだ。

 第5軍は先鋒に佐藤幸徳が師団長を務める第14師団を置いて執拗な追撃を行った。

 この時点で第5軍、第6軍の猛攻で第1騎兵師団はほぼ壊滅。日本軍の第6軍の第1戦車師団は歩兵の支援を受けつつ

中国軍第4師団、第7師団を蹂躙しつつあった。有効な対戦車兵器を持たない両師団は成す術も無かった。一部の兵士は

史実の日本軍のように火炎瓶や地雷などを抱えて肉弾攻撃に出て応戦したものの、大勢に影響は無かった。

 加えて補給を完了して舞い戻ってきた第7飛行集団、第9飛行集団が空爆を再開した。彼らは無線を使って地上部隊と

情報を交換しつつ、地上部隊にとって脅威となっている目標に対して優先的に攻撃を加えていく。

 地に這う歩兵に容赦なく銃弾が、ロケット弾が、爆弾が降り注ぐ。彼らは必至に逃げ延びようとするが空しい努力

でしかなかった。ミンチになるか、火達磨になるか、それとも跡形もなく消滅するか、そのどれかしかなかった。

 辛うじて生き延びた人間も、五体満足な者は殆ど存在せず、辛うじて戦場の片隅でうめき声を挙げるのが関の山。

それはすでに戦闘ではなく、虐殺であった。第4師団、第7師団の消滅は時間の問題となっていた。

 張景恵大将は慌てて第二波の3個師団を投入したものの、その3個師団も日本軍の猛攻によって瞬く間に遼陽の大地に

溶けていった。

 最終的に米陸軍第1騎兵師団と中国軍5個師団の合計6個師団、総兵力の半数が短期間の間に失われることになった。

この事実は遼陽に置かれた司令部を恐慌状態に陥れた。彼らは本来、東部の守りに当たるための部隊まで前線に送り出し

首山堡に防御陣地を構築して日本の猛攻を食い止めようと目論んだ。しかしこの動きを見た岡村大将はほくそ笑む。


「勝ったな」


 遼陽東部の守りが薄くなると見るや否や、岡村は十分な航空支援の下、第4軍に渡河を命じた。

 第4軍が抜けた穴は第5軍、そして関東軍から増援として回されてきた1個歩兵師団、1個戦車師団、1個混成旅団で

埋めることが出来る、そう岡村は判断していたのだ。そしてその判断は正しかった。


「日本軍が渡河した?!」


 張景恵は慌てて日本軍の行動を阻止しようとしたが、そのいずれも失敗し、第4軍は饅頭山と五頂山を占領した。

側面を突かれることを恐れた張景恵は饅頭山と五頂山の奪還を命じたが、第5軍、第6軍の猛攻の前に部隊の抽出も

ままならず、最終的に中華民国軍7個師団は退路を絶たれることになる。








 満州の決戦で米中連合軍が一方的な大敗を喫しつつあった頃、ここ上海でも米中連合軍は苦境に立たされていた。

 杭州湾から上陸した日本軍は米中連合軍の抵抗を排除しつつ、蘇州、嘉興などの要衝を瞬く間に攻略した。これによって

米軍は後方を遮断されてしまったのだ。南京に撤退するためにも日本軍を撃滅する必要が生じた米軍は第1海兵隊師団を先鋒に

据えて決戦を挑んだが……その結果は惨憺たるものであった。


「こんなことなら、中国軍など置いてくればよかった」


 第1海兵師団師団長ヴァンデグリフト少将は司令部で大いに悔やんでいた。これに対して幕僚達はフォローすることもできない。

何しろ実際、彼らの苦戦の原因のひとつに足手まといと化している中華民国軍が挙げられるからだ。

 中華民国軍第12師団は、日本軍によって後方を遮断されると知らされるや否や狼狽し、瞬く間に士気を低下させてしまった。

この体たらく振りにスティルウェルは他の米軍部隊でフォローせざるを得なかった。尤もスティルウェルは米軍部隊が喝を入れ

ればある程度は、米軍の弾除け程度にはなるだろう……そう思っていた。

 しかし中国軍の役立たず振りは、彼の予想を遥かに超えるものだった。米軍主導による蘇州周辺の陣地を奪還するための作戦で

米軍将兵は同盟軍がどれだけ信頼できないかを思い知った。

 この時、悪天候のために死神ともいうべき日本軍の攻撃機の姿がなく、陣地奪取の好機であった。ヴァンデグリフト少将は

部下達に喝を入れて進撃したのだが、日本軍の反撃を受けた中国軍第12師団は呆気なく敗走してしまう。あまりに呆気なく

敗走したためにさすがの第1海兵師団も完全には対応しきれず、あちこちで混乱が生じた。


「軍曹、中国人たちが勝手に持ち場を離れていきます!! 対応できません!」

「銃を突きつけてでも、持ち場に戻らせろ!!」


 第1海兵師団所属のデビットは、部下の一等兵にそう怒鳴るように、いや、実際に怒鳴りながら命じた。それは史実の

中華民国国民党が督戦隊を編成して戦列を維持させたのと同じ方法であった。非人道的だが、それしかやりようがなかったのだ。


「口だけの中国人どもめ、糞の役にも立たん!!」


 彼は役に立たない中国軍軍人を罵り、次に目の前に立ち塞がる日本人を罵り、さらに、こんな辺境で自分達を野蛮人たちと

戦わせる大統領を罵った。しかし彼の気が済むまで日本軍は待ってはくれなかった。日本軍は中国軍が潰走したのを見て反転

攻勢をかけたのだ。


「敵の弱点は中国軍だ。ここを集中的に突け!!」


 陣地の防衛に当たっていたのは、奇しくも史実で第1海兵師団によって辛酸を舐めさせられた一木支隊だ。

 一木大佐は史実米軍のように陣地周辺に堅い機銃座と鉄条網を張り巡らせていた。対戦車兵器も可能な限り持ち込んでおり

仮に米海兵隊の戦車部隊が攻め込んできても持ち堪えられると自負していた。彼らはその自慢の防御力で陣地に向かってきた

敵軍をなぎ払った。しかしあまりに呆気なく敵前衛が崩れるのを見て、彼らは拍子抜けした。


「おかしい。敵が脆すぎないか?」


 大佐は敵が敗走していく様子を見て、『自分たちが罠に掛けられようとしているのではないか』と疑ったが余りに無様な

敗走振りを見て、「さすがにあれは擬態ではないでしょう」と幕僚達から進言され、追撃を決意した。


「……近衛第2師団とも連携して、挟み撃ちにしよう。第2師団には九七式中戦車改があったはずだしな」


 こうして一木支隊は反転攻勢に出た。これに加えて周辺部隊も相次いで反撃に出たため、第1海兵隊師団は大打撃を被る

ことになった。第1海兵隊師団には、本国から配備されたばかりのM3中戦車があったものの、九七式中戦車改の前では

全く歯が立たなかった。彼らは二度と帰らぬ覚悟で接近戦を挑むしか戦う術が無かった。


「何故だ、何故だ、自動車産業で劣る日本が、我が国の手で開国してわずか70年の新興国が、何故、あんな戦車を……」


 米軍の戦車兵は自分達の攻撃を平然と弾き返す九七式中戦車改を見て、あまりに理不尽な現実を呪うしかなかった。

 一方、日本軍は対戦車バズーカである九五式対戦車噴進弾二型を大量に持ち込んでいたために、一木支隊をひき潰そうと

出てきた海兵隊のM3中戦車、M2中戦車は逆に歩兵部隊の手によって大打撃を受けた。

 勿論、海兵隊は一木支隊の歩兵部隊を排除しようと躍起になったが、「弾幕はパワー」を信条とする一木大佐によって

充実した火力を保有していた同支隊は海兵隊相手に存分に撃ち返した。さらに元々銃剣突撃を重視していた日本軍は接近戦

でも無類の強さを発揮し、猛者ぞろいの米海兵隊を苦しめた。

 最終的に日本軍の理不尽な強さと中国軍の無能によって米軍の攻勢は頓挫した。おまけに中国軍の無様な敗走振りを見て、

米軍の中では中国軍なぞ足手まといだという空気が漂った。勿論、それを中国側が察しないわけがなく、米中連合軍司令部で

は不穏な空気が流れた。そして司令部の不和は前線の部隊にも伝播していき、あちこちで衝突が起きることになる。

 この米中連合軍の不和は現地の諜報員を通じて東条の耳にも入った。


「そこまで酷いのか……」


 東条は司令部に齎された報告を聞いて、呆れたと言わんばかりの顔で嘆息した。


「まぁ白人の連中、特に人種差別が当然のこの時代の連中からすれば中国人なんてイエローモンキーだろうからな……

 それにしても中国軍がここまで弱いとは思わなかった。まぁ満州が重視されたせいで弱兵しかいなかったせいか……」


 そう呟きつつも、この米中軍の不和を彼は絶好の好機と捉えた。何しろ敵が勝手に仲間割れしているのだ。これほど

幸運なことはない。


「一気に総攻撃に出るか……尤もあまり細かい指示は出さなくても、あの男なら勝手にやってくれるだろうが」


 日本軍第25軍を率いるのは、史実ではマレーの虎として恐れられた男、山下奉文中将だった。

さらにその配下には日本陸軍の野戦指揮官としては指折りの能力を持ち、冬戦争でもその実力を発揮した宮崎繁三郎が

送り込まれていた。さらにその彼らには、史実には無かった万全の補給体制と潤沢な航空支援が約束されている。

 これに対して米軍は数で劣り、補給もなく、航空支援もなく、さらに軍内部には不和を抱えている状態。


「まぁ『来た見た勝った』になるだろうな……だが問題はそのあとだな」


 東条はそう言って作戦図上の一点を見つめた。


「必要以上に騒ぎが大きくならないように手を打つ必要があるな。失敗したら給料泥棒扱いされかねない」


 開戦が決定されて以降、増大する一方の軍事費に比例するかのように、血圧が高くなっている辻の顔を思い浮かべて

東条はため息をついた。


(世間一般から言われるほど高級軍人や高級官僚って奴は楽な仕事じゃないんだよな……天下りしたい奴の気持ちが

 判るよ、本当に……)


 圧倒的優勢にあるはずの日本軍の将軍は、深い、深いため息をつきながら仕事に取り掛かった。










 あとがき

 提督たちの憂鬱第25話をお送りしました。

 拙作にも関わらず最後まで読んでくださりありがとうございました。戦闘シーンが難しくて手間取りました。

 戦闘シーンをうまく書ける人がうらやましいです。

 さて、今回で満州はほぼ決着が付きました。次回で上海の米中軍の運命も決する予定です。

 アジア艦隊との決戦は……まだ暫くあとになりそうです。いつになったら完結できるんだろうか(汗)

 次回もできるだけ早めに更新したいと思っています。

 話の筋はだいたい決まっているので早ければ4月末、遅くても5月中には掲載したいと思っています。

 今回も、投稿掲示板のネタを採用させていただきました。ご投稿ありがとうございました。

 あと人事などについてもご意見があれば投稿されても問題ありませんので、ご意見お待ちしています。

 (さすがに100%、投稿された意見を反映するのは難しいので、その辺りはご容赦願います)

 それでは提督たちの憂鬱第26話でまたお会いしましょう。




兵器スペック


九七式中戦車改
車体長:7.1m 全幅:3m 全高:2.7m 全備重量:38.4t
エンジン:<流星改(ミーティア)>液冷ディーゼルエンジン600馬力
最高速度:時速48km 航続距離:260km 乗員:5名
装甲厚:砲塔前面100mm(曲面)、前面95mm(傾斜60度) 側面:55mm(傾斜60度)
背面45mm(傾斜60度)
武装:65口径76.2mm砲1、12.7mm機銃1(砲塔上)
   7.7mm機銃1(砲塔同軸)、煙幕弾発射装置8
車体の傾斜角を統一、表面硬化、傾斜角を深くし、主砲にT型マズルブレーキ装備


九七式自走砲
車体長:6.8m 全幅:3m 全高:2.6m 全備重量:39t
エンジン:<流星(ミーティア)>液冷ディーゼルエンジン570馬力
最高速度:時速45km 航続距離:210km 乗員:5名
装甲厚:砲塔前面45mm、車体前面45mm(傾斜35度) 側面:45mm(傾斜45度)
背面40mm(傾斜40度)
武装:50口径140mm砲1、
  7.7mm機銃1、煙幕弾発射装置6


九七式15cm加農砲
口径:155mm 口径長:46口径 砲身長:7130mm
全備重量:13530kg 砲身命数:5250発
最大射程:18200m(通常装薬)、24400m(強装薬)



二式突撃銃
使用弾薬 6.5mm
装弾数 30連ノーマルマガジン
40連ロングマガジン
作動方式 ガス圧作動、ターンロックボルト
全長 974mm 重量 3600g
発射速度 660発/分 銃口初速 770m/s 有効射程 600m



M2中戦車
全長:5.4m 全幅:2.7m 全高:2.8m 重量:18.2t
エンジン:ライトR975空冷ガソリンエンジン400馬力
最高速度:時速40km 航続距離:180km 乗員:5名
装甲:前面28.5mm、側面12.7mm、背面6.35mm
武装:16口径75mm榴弾砲×1、7.62mm機関銃M1919×4




一式軽戦車
全長:5.6m 全幅:3m 全高:2.4m 重量:19.8t 乗員:4名
エンジン:<流星(ミーティア)>液冷ガソリンエンジン500馬力
最高速度:時速58km 航続距離:200km
装甲:砲塔前面50mm、車体前面30mm、側面20mm、背面20mm
武装:40口径75mm九〇式野砲×1、7.7mm機銃(同軸機銃)、
   12.7mm機関銃×1、煙幕弾発射筒4基



九五式対戦車噴進弾二型
弾頭を大型化して攻撃力を上げた。有効射程70〜120m
口径115mm(弾頭)重量2.8kg